心見少年、音見少女。


「次、木花」

「あ、はーい」

一番窓際、一番前の席の女の子が立ち上がった。金髪に近い茶髪のシャギーヘアを小さくちょんちょんと三つ編みにしている。

くりっとした瞳が可愛らしい。小リスみたいだ。

「不破 木花(ふわ このはな)です。中等部三年です。動植物との会話が出来ます。よろしくお願いします!」

動植物との会話……凄いな。

「次、良美!」

「押忍〜」

面倒臭そうに立ち上がったのは、木花の後ろの席の、制服をかなり着崩した少女だった。小学生に見えるが、態度は不良の高校生並みに悪そうだ。

「園森 良美(そのもり よしみ)。初等部六年。持ってる能力は典型的な超能力で、物を浮かせたりできるゼ。後で見せてやるよ」

ケケケッと笑う良美。口からギザっ歯が見える。小学生のくせに、ガラ悪いな。

「次、金。」

「あ、は、はぃぃ!」

次に緊張しながら立ち上がったのは、良美の後ろ、前から三番目の席の男子。

小柄な体型で、水色のベストとマッシュルームヘアがよく似合ってる。

「あ、あわっ、粟宮 金(あわのみや こがね)です、……初等部四年です。えっと、えと……持ってる能力は……」

金はかなりの上がり症らしい。途中でポロポロ涙を流し始めた。

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