心見少年、音見少女。


(ど、どうしたんだ?!)

声をかけようとすると、

金色の霧状のものが佐月の髪に触れた。

「あっつ!?」

焼けるような熱さを感じ、ポケットから手鏡を出して見てみると前髪の先がほんの少し焦げてる。

間地先生が佐月の元に来た。

「あー、大丈夫か?コレが金の能力だから」

「え?」

間地先生の言葉の意味がよく分からず、佐月はもう一度よく金を見た。

「涙が……光ってる?」

彼は金色の涙を流していた。そしてその涙が霧状になり、金を守るように取り囲んでいる。蛍に埋もれそうになってるみたいだ。

「そう。金は緊張したり怖かったりすると、自分を守る防御能力が発動されるんだ。ソレが金の能力ね」

そう言いながら、間地先生はポンポンと優しく金の肩を叩く。

「中途半端で悪いんだけど、自己紹介は中止して、後で個人的に教えてやってくれない?コレが膨大になったらヤバイから。
 金、1回落ち着こう、な?」







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