心見少年、音見少女。
「今回の能力調整は、自分の中にある『もう一つの能力』を覚醒させる意図も含んでる。
能力者とか奇病者っていうのは、古代から普通(ノーマル)の人間に売られたりしてたんだ。
血液等の体液を実験に使ったり、能力を酷使させた曲芸、悪用の人身売買とかな。
その為、現在でも防御系と攻撃系とその他、大体ニ、三個くらい能力を持ってる奴が殆ど。
メインとなる能力の他に持つことが出来る能力を、覚醒能力と言う。
そして、今回はいつどんな状況でも能力が発動できるように、制服のまま行う。
今回の授業では自分の身を守る為、出来るだけ他の能力を見つけられるように!」
「せんせー、あたしもうとっくに覚醒しちゃってるから、今回見学でいーですかー?」
面倒臭そうに良美が発言した。
「確かにお前は覚醒済みで、典型的な超能力と雷の力を持ってるが……今日のは能力を上手く扱う練習もメインだからな。見学は却下。
つーかお前、見学とか言ってサボるつもりだろ!」
「チッ、バレたか」
教室からどっと笑いが漏れた。
小学生なのに、小さいのに、もう覚醒してるのか。
ただの不良っぽいマセガキじゃなかったんだな。
佐月が感心していると―――