心見少年、音見少女。
「僕とオソロで首掛けよか?いくつか予備の紐持っとるから一つあげてもええで!」
ヒョコッと水晶が日和の背後から姿を現した。
「マジで?じゃあ貰おうかな。サンキュ」
佐月は水晶の手から細いチェーンを選び、受け取った。
「うっわ、男子でオソロって……ホモなのか?」
日和が気色悪いとでも言うように、顔をしかめる。
佐月と水晶は全力で否定した。
「お前達ってなんだよ!巻き込むな!俺はそんなんじゃねーし!」
「せや、僕もちゃうで!日和も僕が女の子好きなの知っとるくせに!」
「つーか、俺は違うけどホモって差別用語っぽい……え!?その言い方……もしかして水晶好きな奴いんの!?」
「あああああ!今の忘れてぇな!失言や!!」
「無理だよ、んなの!で、誰が好きなんだよ?」
「言えるわけないやろアホ!」
「倉橋、いや、私も佐月と呼ぶか。教えてやるから耳貸せ」
ニヤニヤしながら日和が悪ノリする。
こういう時はノリが良いらしい。意外といい奴だ。
「え?マジで?誰?X組の人?」
「あ゛ーー!!日和ぃ!やめぇぃ!!」