心見少年、音見少女。
「まぁ、これは後でやるとして。金、那々、実々、遊々、佐月、ちょっとおいで」
クイクイと間地先生が手招きをする。
何だろうか。
「お前らはとりあえず覚醒より調整の方が優先だから、他の皆が覚醒のトレーニングしてる内にやっちゃおうか」
「「「「「はーい」」」」」
「じゃあまず佐月、珠を一旦外して、私の心読んでみ。私も珠外すから」
「あ、はい」
佐月が首の後ろのチェーンを外し、珠のネックレスをポケットに入れると、間地先生の頭上に文字が見えてきた。
「えーと、『楽』『期待』『面白そうなやつ』……って見えます。俺のこと面白そうな奴って期待してるんですか?」
「お、当たってる!他には何か見えるか?」
もう一度意識を集中させると、別の言葉がうっすらと見えてきた。
「……『結婚したいなー』とか、『昨日のコンビニ店員の兄ちゃんイケメンだったなー』とか見えるんですけど、あの、これは……」
「あーーー!!あーーーー!!!それは読まなくて良い!!」
赤面して手を振り回し、慌てふためく間地先生。
そういえば、間地先生は左手の薬指に指輪がない。
そういう事か。