心見少年、音見少女。
「『石吐き病』は名前の通り宝石を吐いてしまう病。ちなみに感情が高ぶることによって発病されます。
『涙石病』は涙が宝石に変わる病。
『具現石病』は自分の手を握ると、考えたものが宝石で出来た本物にになって現れる病です」
「奇病っていうより技術っぽいな」
「確かにそうですね。だからこそよく狙われるんです」
「狙われる?」
「妃紅姉さん……間地先生が言ってたでしょう?『古代から能力者と奇病者は売られたりしてた』って。
それは現代でもひっそりと続いてるんです。だから、特に僕達よりも、お金になる宝石を生み出せる彼女たちをよく狙うんです。
結構前……幼稚園の時から誘拐されかけてたそうですよ」
「!!じゃあ、あのベレー帽も……」
「顔を少しでも隠すためです」
「……大変だな」
「だからこうやって防御や攻撃の特訓を僕達と一緒に受けてるんですよ」
数少ない語彙でお喋りをする三つ子に視線を移す。
こんなに小さいのに……酷い人がいるんだな。
「……おっと、話が脱線したな。佐月の能力はもう十分強いって分かったから、覚醒特訓組に混ざっていいぞ」
「え」