心見少年、音見少女。

「少年漫画の攻撃シーンとか、何か想像してみろ」

少年漫画……

小学生の時に読んだバトルファンタジー系の物語をイメージしてみた。

「……『ソウルアロー』!」




  ゴウゥッッッ!!




「え?」






佐月の腕に白い雲のような靄が現れ、それは段々弓と矢の形を成していく。

「佐月!それを放て!」

日和が、さっきまで自分が使ってた模造紙を指さす。

「え?!わ、分かった!」

昔、少しアーチェリーをやったことがあった為、それを思い出しながら矢を構える。

靄だからあまり触れている感覚はないが、意識を集中させると不思議と自由に操れた。
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