心見少年、音見少女。
シュッ!
矢が勢い良く放たれ、模造紙のど真ん中めがけて突き進んでいく。
トスッ!
上手く中央に刺さった―――が。
ジュウウウ……
「と、溶けてる?!」
模造紙は、夏のアスファルトに置いた氷のように、みるみる小さくなっていく。
瞬きをしている間に、模造紙は完全に溶けてしまった。
「『天』か……」
「『天』?」
「お前のもう一つの能力だ。雨や雪のなどの天気のように、雲のようなもので形成した武器で攻撃する能力……覚醒、おめでとう」
日和がパチパチと拍手を送る。
「なんや?佐月くん、覚醒したんかいな!?」
「え?マジで?」
「早っ、えっ、はっっや!!」