心見少年、音見少女。

「とりあえずさ、奴らが何起こすか分かんねーんだから、単独行動とかやめといたほうがいいんじゃね?」

良美が腕を組んで言った。

じっとしてることが苦手らしい。さっきからせわしなく足をパタパタと動かしている。

「良美の言うとおりだよ!今日は、部屋を合同で使って、三、四人くらいで固まって過ごそ!」

火影が怖がるように拳を握る。

(俺にはまだよくわかんないけど……大変なことみたいだな)


「―――それでは、寮の方へ『飛び』ますので、皆さんこちらへ」

論土が手招きして、全員を体育館の中央に集める。

全員が集まり、論土を中心に円を描くように円くなる。

すると、間地先生の時のような魔法陣が浮かび上がった。

「はっ!」

眩しい。

まばゆい光に包まれ、思わず佐月は目を瞑った。




< 52 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop