心見少年、音見少女。
「とりあえずさ、奴らが何起こすか分かんねーんだから、単独行動とかやめといたほうがいいんじゃね?」
良美が腕を組んで言った。
じっとしてることが苦手らしい。さっきからせわしなく足をパタパタと動かしている。
「良美の言うとおりだよ!今日は、部屋を合同で使って、三、四人くらいで固まって過ごそ!」
火影が怖がるように拳を握る。
(俺にはまだよくわかんないけど……大変なことみたいだな)
「―――それでは、寮の方へ『飛び』ますので、皆さんこちらへ」
論土が手招きして、全員を体育館の中央に集める。
全員が集まり、論土を中心に円を描くように円くなる。
すると、間地先生の時のような魔法陣が浮かび上がった。
「はっ!」
眩しい。
まばゆい光に包まれ、思わず佐月は目を瞑った。