心見少年、音見少女。
「いやぁ、すまんすまん!同い年の男子のクラスメイトが出来たん初めてやから、嬉しゅうてつい!」
「だからってびっくりさせちゃダメでしょ!」
「(´・ω・`)」
「……。」
怒ってる女子と、シュンとしてる水晶、黙ってる佐月に、反省中のコミュ障女子、「ひよりん」。
―――静かになってしまった。
聞こえるのは、他の生徒が読んでる本のページを捲る音だけ。
「……って!あたしたち自己紹介してないじゃん!」
思い出してポニテ少女が勢いよく机をバシッと叩く。
「紹介遅れてごめんねー!あたし、神崎 火影(かんざき ほかげ)!君と同級生の新、高一だよっ!……ほらっひよりんも!」
火影が例の女子の腕を引っ張って半ば強引に連れて来た。
「……岡野 日和(おかの ひより)。新、高一。宜しく」
面倒臭そうに肘を付く日和。
「もー、なんでそんなに面倒臭そうにすんの~?」
「火影、忘れたの?こいつの事」
日和が佐月を指で示す。
長い指を向けられたのと、日和の真っ直ぐな視線の性で目を逸らせられない。
「いや、忘れてはいないけど、言ったほうがいいかなって思ってぇ〜」