心見少年、音見少女。

男はそのままスピードを緩めることなく、廊下の角を曲がる。

「やった!あそこは行き止まりですよ!」

氷雨が余裕の表情を見せた。

私達も廊下を曲がり、出口を塞ぐようにして廊下に横並びになった。




「……え?」








そこには、男も、天見も、いなかった。







これが、一年前の事件。



『錫高野 天見誘拐兼消失事件』の経緯だ。














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