心見少年、音見少女。
「だ、誰だ?!」
佐月が思い切って勢い良く閉めていたカーテンを開けると―――
「はーい、私達でーす!」
ガラス越しで声は聞こえないが、口の動きでそう読めた。
ちょんちょんとした小さな三つ編みとくりっとした瞳の女の子が手を振っていた。
「……なんだー、木花と論土と藜先輩かぁ」
火影が安堵の声を出して、カラリと窓を開ける。
「お邪魔しますね~」
「すみません、お邪魔します」
「邪魔するよー!」
靴を脱いでから跨ぐようにして、三人は窓から中に入った。
途中、背の高い藜が目測を誤り、窓枠に頭をぶつけて涙目になったが、それ以外は怪我をした人はいなかった。
まだ研究者が来てないということか。
「えへ。びっくりさせちゃってすみません!
多分火影さんがほとんど食料食べちゃったんじゃないかと思って、藜さんと論土くんと買いに行ったんです」
「僕が瞬間移動の能力を使って、」
「オレが時間を止めて、」
「私が神獣ちゃん達を使って、」
「「「買ってきましたー!」」」
じゃじゃーんと言わんばかりに、手に下げたレジ袋を見せる三人。