心見少年、音見少女。

「あ、いや、写真の上から人の感情が読めたのは初めてだな。生身の人間なら普通に読めるんだけど」

「……」

佐月以外の全員が、深刻そうに顔を見合わせた。

部屋の空気が一瞬にして凍る。

「……決まりやな」

「間違いありませんね。これで確定です」

「オレも論土と同意見〜。これで違うって方がおかしいわ」

水晶と論土の意見に藜が賛同し、二人は気合を入れるように座る体制を変えた。

「え?何?何がですか?」

ここで空気が読めてないのは、佐月だけのようだ。

「と、ここでさっきの質問タイムん時に戻るんやけど……日和、言うてもええか?おまんは大丈夫か?」

「……私は平気だ」
 
日和の頬が僅かに赤くなっている。

通常のクールな雰囲気とはまた違い、可愛らしくなってつい目を奪われたが、水晶の言葉で、ゆっくり見ることは出来なかった。



「やっぱ佐月くん、『ココロミ』確定やわ」


< 69 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop