心見少年、音見少女。
「これを見ても、同じ事が言えるのか?」
パサッ
日和が自分の髪を軽く払うと、首筋に佐月と同じ、六芒星型の痣が現れた。
「あ……っ!?」
「……私は、ココロミと対になる存在である『オトミ』。これはその証である生まれつきついている痣だ」
「オトミ?」
「漢字に変換すると『音見』。音を見る能力を持つ能力者。ココロミと同様、百年に一度しか生まれないとされている人間だ……」
日和は一旦そこで話を区切り、正座から体育座りへと姿勢を変えた。そして、ほんのり赤い顔を隠すように膝頭に額を軽く付ける。
少し言いにくいことがあるらしい。佐月には心を落ち着けようとしてるように見えた。
「ただ、ココロミとは違い、反対に音を見る能力以外の能力は劣るがな」
「あ、だから能力調整の時……」
遊々と協力した時だけは上手く行ったと聞いたのを思い出した。
「物理的な攻撃が出来なくて、一人だとせいぜい目くらまし程度の事しか出来ない。誰かの協力が無い限り、私は戦うことは無理なんだよ。佐月とは真逆で。
……自分が情けない」
「日和……」
かける言葉が見つからず、右手が宙をさまよう。