心見少年、音見少女。
天見を失った時も、同じ様に悩んで、苦しんでいたんだろう。古傷をまた掻き毟ってしまったようで、なんだか悪いことをしてしまった。
「で、ひよりん!もう一つ話すことあるっしょ?あたしが話そうかー?」
ぴょんとウサギのように移動してきた火影が、優しく日和の肩を掴む。
「あーー…………うん。私には無理だ。火影、頼む」
日和の顔が更に赤くなった。風邪だろうか?だとしたら、なんだか不自然すぎる。
「あいさー!あのね、佐月くん―――
オトミとココロミは、キスをするとお互いの能力が強くなるんだよっ♥」
人差し指を自分の唇に持っていき、パチンとウィンクを飛ばす火影。
「……」
―――数秒の沈黙が、部屋の中を流れる。
「……は?」