心見少年、音見少女。
「皆良い奴だし、こんな時に不謹慎かもだけど、今めちゃくちゃ楽しいんだ」
能力を隠さずに済むようになったのもあるが、この特殊クラス、X組の皆が優しくて、笑顔で自分と接してくれる事が本当に嬉しい。
「……ほっか、ほんなら良かったわ」
水晶も眠れないのか、コロンと寝返りをうち、佐月と同じく上を向く姿勢をとった。
「……あんな、僕、好きな奴おんねん」
「あぁ、火影だろ?」
「ゑ?!なんで分かるん?!なんで分かったん?!」
「バレバレだ、ばーーーかwww」
本人はアレで気付かれてないと思ったようだ。
薄暗い部屋でも分かるくらい、水晶が顔を赤くする。
赤面症なのか?そうやってすぐ赤くなるからバレるのに。
面白いので佐月は黙っておいた。
「……火影は、ちっさい頃からの幼馴染やねん」
聞けば、火影とは初等科の時からの仲良しだという。
一度、水晶の能力が暴走し、火影の能力に不調を与えてしまったことがあるらしい。
「僕は水、火影は炎……能力が反発し合う者同士は、結ばれる事は難しいんよ」
水は、炎を打ち消してしまう。
能力を持ってるうちは、どうしても相性が良いとは言えないだろう。