心見少年、音見少女。



 気持ち悪い、


 怖い、



 人間じゃないみたい、



 あっちいって。




 声に出さなくても全て『見え』てしまうから―――怖かった。



 毎日のように泣いた。



 どうしてこんな能力を持ってしまったのか、どうして自分だけなのか。





 それ以来、能力を無いものだと思って、普通に、自然に、空気に溶けるように、生きていた。





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