心見少年、音見少女。
「待ってください!僕そこ聞いたことあります!」
今まで後ろの方で黙ってた論土が、大声をあげた。
「ろ、論土!!それ本当か?!」
「はい、水晶先輩。落ち着いて聞いてくださいね」
また水晶が暴走しないように、論土はワンクッション置く。
「隣町の、昔工場だった場所です。去年か一昨年あたりに、研究所に変わったそうですよ」
「あぁ、あそこか……行ってみる価値はあるな」
間地先生は細い顎をつまんで考える。
「藜の能力を信用しよう。危ないから私一人で行く。藜、カゴメ、皆を頼―――」
「待ってください!帰りはどうするつもりですか?僕もついてきますよ!」
「ろ、論土くん危ないよ!私もついてく!」
「僕も行く!!」
「すいしょーが行くならあたしも!」
「……私も行きたい」
「俺も。氷雨ちゃんと天見ちゃん心配だし」
「僕もー!妃紅姉さん、僕も連れてってー!」
「いや、オレが行かなきゃでしょ」
「アタシも行くー!!」
「皆行くなら那々も行きたいー」
「実々も行きたいー」
「遊々もー」
「一人で留守番とかヤだし。アタシも行きてぇ」