心見少年、音見少女。
「よし、じゃぁ行くぞ!!」
間地先生が気を集中させると、七人を包むように光の壁が出現する。
「先生、先輩方、気をつけてくださいね!」
木花が不安そうな表情を見せる。
「大丈夫だって、すぐ戻るよー☆」
カゴメが余裕そうなピースサインを返すと同時に、七人は姿を消した。
「着いた、ここだ」
目的地には数秒で着けた。
いや、数秒じゃない。ほぼ一瞬だ。瞬きの間にはもう着いていた。
佐月はキョロキョロと周りを見渡す。
シャッターが閉まった、広くて古い工場の正面だ。
「ここに、氷雨が……?」
水晶がパキパキと指を鳴らす。
もうフライングで戦闘態勢になっている。
「落ち着け、まだ分かんないよ。オレの見えたのが間違いかもしれないし」
「いや、間違い無いでしょ。書いてあるもん」
火影が指さした先には、『シタラ未来科学研究所』の看板と……
「……氷雨のリボン?」
水色のリボンが落ちていた。