心見少年、音見少女。
「私が中を確認してくる。お前らはそこで待ってろ」
間地先生の指示に従い、全員外で待つ事になった。
「すみませーん、どなたかいらっしゃいません……―――」
ビュンッ
強い風と眩しい光が全てを包み込むように現れ、目が開けられなくなった。
「―――か、って……え、あれ?」
間地先生が慌ててあたりを見渡す。
ここは……研究所の中?
くすんだ緑と灰色の壁、何やらゴボゴボと音を立てている装置、佐月にもよく分からない生命体が入っているホルマリン漬け……
まるで巨大な理科室だ。
いつの間に、どうやって瞬間移動したんだろうか。
論土はここにいないのに。
「お待ちしておりました。X組の皆様。そろそろ来る頃かと思ってましたよ」
その中央で、白衣姿の男がにこやかに笑う。
が、目が笑っていない。