溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

「そうだな。今日の夜のディナーは心に残るように、心から御もてなしするつもりだ。――最高の夜にすると約束するよ」

「ジェイドさん」

「ご飯を食べてちょっとだけシャワーを浴びたら、デートしよう。ランチも、ビュッフェ形式のレストランはまだ行ってなかったし、回れる所全て回ろうか」
「あはは。賛成!」

船内を二人で走り回るなんて、ムードも何もないけど、その方が楽しそう。
最後の日ぐらい、ぐるぐる考えるより、一緒に居られる時間を楽しみたい。

食べ終えて船内パンフレットを広げて、行きたいルートを決めていたら、ケイリーさんから内線が入った。

朝食の終わる頃を把握しているような完璧さだ。

『美山様、今日のディナーは二部制になっているのを説明していて頂いて居ますでしょうか』

「いえ。ジェイドさんからは何も」

『申し訳ありません。それでは、ご説明致します。美山様たちスイートルーム階級の皆さまは二部の21:00からクイーンズ・フォールでディナーとなります。オーダーされた服も出来ていますので試着をして、スパの予約もどこも最終日のディナーの前はいっぱいですが、時間さえ指定いただけましたら代わりに予約致します』

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