溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
ハワイからの帰国になるので、パスポートとかの手続きをしてもらいそのままノックしたのは甲斐の部屋だった。
流石にもう起きていたのか真面目に一番上までボタンを閉めたシャツを着た姿で、私を見て驚いていた。
「お前、どうしたんだよ」
「ヘリに乗せてもらおうかなって」
「ヘリ!?」
ケイリーさんが言うにはもう一時間もすれば日本の港に到着するらしい。
部屋のランク順に船から降りるらしいけど、もう顔も合わせたくなかったから。
どうせ、ヘリで来たんだからあのヘリで帰らなきゃいけないんだし乗せて貰おうと、それぐらいは甘えさせてもらおうって決めてきた。
「でもお前、ジェイド船長は?」
「もう契約は終わったの。指輪も外してるでしょ? 彼に会いたくないからこうして来てるの」
「お前、やることが本当に極端だな」
「誉めてるならありがとう」