溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「そこにバスローブなら有ったから羽織るといいよ。俺は紳士だが狼でないとは言っていないからね」
「き、着替えます!」
すぐにお風呂場へ駆けこむと、ちょうどブザーが鳴った。
支配人が食事を運んできてくれたらしい。お礼を言おうと飛び出すと、既に部屋から出て行ってしまっていた。
「そんな慌てなくてもいいのに。ワインは?」
「頂きます!」
飲まなければ今日はもう色々と爆発してしまいそうだから、素直にそう言う。
テーブルに並べられたのは、ハワイの有名店のステーキにシュリンプだ。
ガーリックシュリンプとローストチキンサンドは明日行こうとチェックしていた今流行りのお店だし、ステーキプレートに書かれているお店の名前は一般人では予約さえできない有名店だ。
「このお店が船にあるの!?」
「ああ、今回だけな。ただ、スイートルームのカードのゲストしか頼めないが」
そう言うと、彼は立ち上がり私に椅子を引いてくれた。