溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「ジェイドさんって、癒されます」
「おお。そうだろ」
嬉しそうに笑うジェイドさんが視線を海へ落とした。
「明日ぐらいには、海亀が見られるかもしれないぞ。もし海亀が見られたら、凄く幸運だから一緒に探すのも楽しいだろう」
「へー。探したいです」
「時々、クジラも仲間だと思って近づいてくるから、今回のクルーズは沢山の幸運が重なると嬉しいな。俺とナホが出会えたようにいくつもの偶然が運命になるように」
「ジェイドさん」
いくつもの偶然が重なって運命に――。
その魔法の様な甘い言葉に騙されそうになりながら私は、ジェイドさんの熱い視線に見動きが出来なくなった。
まるで、まるでずっと愛し合っていた恋人同士だと錯覚させられてしまうような、熱く甘い視線。蕩けるような笑顔。