溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
そりゃあ、一度は捧げようと覚悟はしていた。
けれど、いくら婚約者のふりをしたからって、一度しかない大事な行為なのに。
シーツに包まってしくしく泣いていると、眠たそうにジェイドさんが上半身を起こす。
「初めて? まだキミはヴァージンなのか?」
「昨日までね。貴方に奪われちゃったんだから!」
「んんん? ちょっと待って。寝ぼけてる? ほら、俺はちゃんと下は着ているだろう」
私からシーツを剥がされたジェイドさんが足を開いたり閉じたりしてアピールしてくる。
「ぎゃあああ」
「あ、傷ついた。なんだ、その悲鳴は」
その引き締まった足は長くて綺麗だけれども、ほとんど未経験の私には下着姿でさえ恥ずかしいです。
「んん。朝はバルコニーで食べようか。珈琲と、頭が痛いならアボカドとトマトのサラダが良いらしいぞ。蜂蜜をいれたミルクティーも効く」
「や、ちゃんと説明して下さいよ。本当は昨日、何があったんですか!?」