溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「動物園に行く?」
「劇場でもいいけど」
「それか、ボルタリングしてみる?」
ジェイドさんがあの手この手で色々と誘ってくれるし、昨日のあの発言には蓋をして忘れてしまおうとしたいのだけど、
何だか騒ぎたい気分ではなかった。
「ごめん。今日はちょっと疲れちゃって、のんびりしたい」
歩き回ったり、騒ぐ気分じゃなかった。
「じゃあ、温水プールが中にあるから行こうかジュースでも飲みながら、プカプカ浮かぶのも楽しいぞ」
私の意見を受け入れて、最良の行動を考えてくれる。
私にはそれだけでも嬉しかった。
「水着を持って、さあ、行こうではないか!」
はりきるジェイドさんに手を引っ張られ、化粧もそこそこに私たちは、デッキのプールではなく中にあると言う温水プールへ向かった。