溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
字まで上手だと感心したけど、確か養父母が日本好きで書道も習ってたんだっけ。
昨日、いっぱい話をした気がする。
色んな話を楽しそうに面白そうに、――少年の様に話していたのを覚えてる。
甘い蜂蜜漬けを飲と、心までほんわりと美味しく満たされていく。
出会いが出会いだから、お互いの事を知らな過ぎて、良い所しか見えなくて要らない気持ちが暴れてしまった。
けれど、考え方とか感じ方とかもっと話せば、私の心も穏やかに落ちついて、彼を見れるんだと思う。
ジェイドさんに今すぐお礼を言いたくて、着の身着のまま、部屋を飛び出していた。
「ナホ! 起きていいのか?」
飛び込んだボルダリングルームで、壁の真ん中辺りに貼りついていたジェイドさんが私を見て驚いた。
「うん。ストレス性の熱も、ジェイドさんのお陰ですっかり下がったから。ハチミツ漬け美味しかった。ありがとうございます」
「俺は、もう少し安静にしていて欲しかったんだけど。ちょっと待ってて。登り終えたら降りるから」