大阪セカンドシンデレラ
1、素敵な出会い



暇さえあればやってくる公園。


目の前にそびえ立つのは大阪のシンボルの1つ、通天閣。



「やっぱり、通天閣が一番や。」



私の名前は成宮美紀(なりみやみき)。


私は、この公園から眺める通天閣が一番好き。


すかさず持っていた鞄からスケッチブックを取り出す。


ベンチに腰掛けると、24色の色鉛筆セットを取り出し、輪郭から描き始める。



「うん、今日もなかなかいい出来。」



下手なりに描き上げた通天閣の絵を見て自画自賛する。


子供の頃からずっと見ている。


大阪で生まれ、大阪で育った私には通天閣が見守ってくれている気がしてならない。



「美紀ちゃん、通天閣よりあべのハルカスの方が大きいのに。」



座っている私の脇で、少年が納得いかない顔で見つめている。


通天閣の左側にそびえ立つあべのハルカス。


太陽の光を浴びてガラスの壁面がキラキラ輝いている。



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