大阪セカンドシンデレラ
「まさかの雨なんて。」
「お兄ちゃんの日頃の行いが悪いからでしょ。」
「俺のせいなのか?」
「ねぇ、美紀さん、絶対お兄ちゃんが原因ですよね?」
ニコニコとして話を向けてくる麻衣ちゃん。
「美紀ちゃん困ってるだろ。」
「だってぇ…。」
大学生と高校生の兄妹ってこんなに仲が良いものなのか。
1人っ子の私には残念ながら理解出来なかった。
でも…。
「とりあえず昇ろうか。」
率先して一歩踏み出した新太郎さんの袖を思わず掴んだ。
「新太郎さん、やっぱり麻衣ちゃんと2人で昇って来て。」
「え?」
「どうして?」
2人とも口を開けて呆然としている。
「そんなぁ、ここまで来たら一緒に昇りましょうよ~。」
「麻衣も言ってることだし。」
2人からの説得にも、私はどうしても首を縦に振る事が出来なかった。