大阪セカンドシンデレラ



「新太郎さんには入院している妹さんが居てね。麻衣ちゃんって言うんだ。いつも妹さんの看病でここに来てたんだ。だから、新太郎さんには私より麻衣ちゃんと昇って欲しくてね。実は、今日新太郎さんと麻衣ちゃんとハルカスで会って来たとこだったんだ。」



「ゆかちゃんや新太郎さんがエエ人なのは、きっと美紀ちゃんがエエ人やからだよね。」



「そんな事ないよ。」



「お母さんが言ってたもん。美紀ちゃんが素敵だから素敵な人達が集まるんだって。」



私は素敵なんかじゃない。


すぐに弱々しくなるし、泣くし、ゆかちゃんに怒られるし、妹の麻衣ちゃんにまで嫉妬する。


私は自分が素敵とかエエ人なんて一度だって思った事が無い。


私が素敵じゃないから、素敵な人が助けに来てくれるだけ…。



「美紀ちゃんが好きな人って新太郎さんやろ?」



「…うん。智君、知ってたんやね。」



「まぁ、美紀ちゃん見てたらすぐに分かるわ。」



「それって単純って事?」



「そうゆう事や。」



「小学生のくせに生意気な。」



智君の頭を軽く指で押すと、屈託のない笑顔を見せてくれた。


いつも見せてくれた屈託のない笑顔。


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