大阪セカンドシンデレラ
「智君、ありがとね。」
「違うねん。お礼を言わなアカンのは僕やねん。」
智君が車椅子ごと私に体を向ける。
「僕が外に出れるのも、毎日が楽しいのも全て美紀ちゃんのお陰やねん。」
『それからの智樹は公園で美紀さんに会うたびにその事を家で話してくれて。それまでの無表情だった智樹は何だったのだろうって思える程で…。』
「入院しても、絶対退院するんだって思えた。」
「智君…。」
「連れて行ってくれた大阪城は絶対忘れへん。」
自然と涙が溢れてきた。
「僕は、美紀ちゃんやゆかちゃん、新太郎さんがいる大阪がめちゃ好きやねん。」
「智君って…。」
「何?」
「どうしていつも私を泣かせるの…?」
「それはな。」
智君がニヤリと笑った。
「美紀ちゃんは僕の大切な親友やから!」