大阪セカンドシンデレラ
退院した智君と再会してから暫くして。
新太郎さんとはメールでやり取りをしているが、麻衣ちゃんは引き続き体の調子が良く、元気だと言う。
あの時…。
ハルカスで会った時。
自分の中に生まれた嫉妬を思い出すと怖くなる。
麻衣ちゃんに会ったらまた嫉妬してしまうのではないかと。
頭では分かっているのに、心のどこかで新太郎さんと麻衣ちゃんの仲の良さを許さない自分がいる。
必死に振り払おうともどうしても消えてくれない。
私ってホント最低な女だよね…。
もどかしさを感じながら、いつもの公園で絵を描く事も無く呆然とベンチに座っていると携帯が震えている事に気が付いた。
画面に表示された電話番号は知らない番号だ。
「誰だろう…。」
不審に思い、電話に出なかった。
きっと間違い電話だよね。
「それにしても…。」
はぁ、とため息を吐く。
「いつになったらこの気持ちがすっきりするんやろ。」