大阪セカンドシンデレラ



「ねぇ、智君。私ね、新太郎さんとお付き合いする事になったの。新太郎さんと付き合えたのは智君のお陰だよ。」



私の隣で新太郎さんが持っている花束を捧げる。



「智君、今更だけど俺と美紀にこれをくれてありがとうね。」



新太郎さんがポケットから1枚のチケットを出した。


あべのハルカスの日時指定券。


智君が私と新太郎さんの距離を縮めようと手配してくれた日時指定券。



「智君がくれた日時指定券は使わなかったけど、この前2人であべのハルカス昇って来たよ。ハルカスからの眺めはとても綺麗で、大阪全体を見渡せたよ。」



その時、新太郎さんが私の肩に手を掛け、そして墓石に向かって力強く言い放った。



「智君、俺は美紀を幸せにする。必ず幸せにする。智君の為にも必ず幸せにする。ここで智君と約束するよ。」



「新太郎さん…。」



嬉しい…。


肩に置かれた新太郎んさんの手に手を重ねる。



「智君、私、新太郎さんとずっと一緒にいるからね。絶対幸せになるから。だから、ずっとずっと私達を見守っていてね。」


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