大阪セカンドシンデレラ
3、智君
私は橋上さんの事が好き。
優しい笑顔が大好き。
けれど、橋上さんは妹さんの看病をしている。
妹さん思いの橋上さん。
変に邪魔はしたくない。
好き、だなんてとても言えない…。
「美紀ちゃん、最近元気ないやん。どうしたん?」
智君が車椅子をゆっくりと動かしながら、私に近づいてきた。
「そうかなぁ。」
「そうだよ。ちょっと前までは明るい通天閣の絵を描いてたのに。」
あぁ、智君には勝てないわ。
「そうだ!」
智君を見つめながらある事を思いついた。
「智君、お腹空いてない?」
「…ちょっと空いている。」
「たまには私と散歩しようよ。」
「うん、ええよ。」