大阪セカンドシンデレラ



「で、この子は何なん?」



「私の友達の智君。」



「へぇ~。なかなか男前やんか。」



「お姉さん、ありがとう。」



「智君、私の幼馴染のたこ焼き屋のゆかちゃん。この人は嘘つかへんから男前って本音やで。」



ゆかちゃんは智君の頭を思いきり撫でると、ちょっと待っとき、と言ってカウンターの中に入って行った。



「美紀ちゃん、好きな人出来たん?」



「う、うん。」



小学生に自分の恋愛の事を聞かれると恥ずかしく思う。



「僕は応援するで。美紀ちゃんは大切な友達やからな。」



「ありがとう。」



智君の無邪気な笑顔が私の心を落ち着かせる。



「さぁ、お待たせ。」



ゆかちゃんがたこ焼きを乗せたトレーを智君の前に差し出した。


食欲をそそる湯気が優しく揺らめいている。



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