大阪セカンドシンデレラ
「うちの店特製、しょうゆ味。」
「うわぁ、美味しそう。」
「美味しそう、ちゃうで。美味しいんやで。」
「お姉さん、ありがとう。」
「まぁ、食べてみいや。」
とも君は爪楊枝で真ん丸のたこ焼きをそっと刺すと3度息を吹きかけて軽くかじった。
「熱い、熱い。」
「熱いから旨いんや。」
ハフハフしながらたこ焼きを1個食べ終わると、たちまち智君の目が輝いた。
「お姉さん、このたこ焼き最高に旨い!」
「せやろ。だてにビリケンさんの下で店出してないやろ?あんた、男前の上にエエ奴やなぁ。」
再び智君の頭を撫でる。
そんなゆかちゃんを見上げながら、智君は今度は不思議そうな顔を浮かべた。
「お姉さん。」
「ゆかちゃんでええで。」
「分かった。ねぇ、ゆかちゃん。」
「ん?何や?」