大阪セカンドシンデレラ



ゆかちゃんの店からの帰り道。



「ゆかちゃん、良い人やな。たこ焼きも美味しかったし。」



智君はすっかりゆかちゃんが気に入ったようだ。



「うん。私の大切な幼馴染で大親友。」



「美紀ちゃん。」



「ん?」



「ありがとう。」



「何が?」



「通天閣まで連れて行ってくれて。」



智君…。


肩が少し震えているよ。


もしかして…。


泣いているの?


嬉しくて泣いているの?


小さな頃から車椅子生活で、不自由な思いをしてきた智君。


本当は、走り回ったり、鉄棒したり、ブランコしたり、ボールを投げたり。


やりたい事たくさんあるのだろうな。


そんな素振りを普段は全く見せない智君。


私よりしっかりしているよね…。


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