大阪セカンドシンデレラ
4、コンテスト
大阪環状線ツアーの日程を次の日曜日と決めたその翌日に智君と入れ替わるように橋上さんに出会った。
橋上さんは私に対して打ち解けた様子で軽く手を上げて笑顔で近づいて来てくれる。
しかし、その笑顔に反応するように私の心は高ぶっていた。
いつものようにベンチの隣に座る。
少し隙間を空けて座るのだが、その距離が近くもあり、遠くも感じていた。
けれど、妹さんの看病の為に病院を訪れている橋上さんの現状を知っているだけに、どれだけ智君やゆかちゃんが応援してくれようとも、今のままでいいと思う自分も存在していた。
「い、妹さんの具合はどうですか?」
何も話さない事が一番恥ずかしいので、とりあえず話しかけてみる。
「ありがとう。今は小康状態を保ったままなんだ。」
「そ、そうですか…。」
気持ちの高鳴りと焦りだけが大きくなる。
「実は、今日はちょっと別の話があるんだ。」
橋上さんは、持っていた鞄から一冊の雑誌を取り出した。
「ずっと前から、美紀ちゃんに紹介しようと思っていたんだ。」
その雑誌の付箋が付いているページを開く。