大阪セカンドシンデレラ
『全国風景画コンテスト』
「小学生以下、中高生、大学生以上でカテゴリーが別れていて、どんなタッチの作品でもいいんだって。是非、美紀ちゃん応募してはどうかなって。」
「わ、私の絵なんか…。」
余りの恥ずかしさについ下を向いてしまう。
その仕草に橋上さんは苦笑いを浮かべた。
「ゴメン、余計な事だったかな?」
「い、いやそうではないのですが…。」
私の心はそれどころではなかった。
「あ、あの…。今、美紀ちゃん、って。」
ただでさえ胸の鼓動が激しいのに、下の名前で呼ばれるともうじっとしていられなくなる。
「何だか成宮さんって他人行儀で言いにくかったから…。」
橋上さんも少し困惑している顔を浮かべる。
「美紀ちゃんでいいですよ。あの…、突然だったからびっくりしただけで…。う、嬉しいですよ…。」
「そう、良かった。俺の事も呼びやすい言い方でいいよ。」
呼びやすい言い方。