大阪セカンドシンデレラ
中学時代から今まで描いていた100枚以上もの通天閣の絵から一番自分が納得する絵を選んでも良かったかもしれない。
けれど、それをする事を拒んだ。
少なくとも、新太郎さんと出会う前に描いた絵は選びたくなかった。
公園で絵を描いていて出会った運命。
新太郎さんと出会った運命。
その運命を大切にしたいから、コンテストに応募する作品は1から描き上げた。
初めて描いた夜の通天閣。
昼とは全く違う雰囲気。
何気に難しかったなぁ。
けれど、自分の中では十分に納得出来る仕上りになった。
早速、応募の手配をして作品を郵送した。
やっぱり応募したからにはそれなりの評価が欲しいなぁ。
つい欲が出てしまう。
応募を完了させた後、ゆかちゃんの店に行き、作品を描き上げた事を報告した。
「まぁ、後は神のみぞ知る、やな。」
そう言った後、たこ焼きをくるくる回しながら尋ねて来た。