大阪セカンドシンデレラ



「だいたい車椅子で電車乗るのがおかしいねん。」



「そうよ。動けないなら外に出歩かずにじっとしてたらええのに。」



「あんなガキでも障害者扱いで国か府か知らんけどお金貰ろてんのやろ?」



「そやで、たいして勉強もせずにエエもん食うて電車乗って何様やねんな。」



「だいたい、うちらの税金で生活してるんやろ?」



「そうやで、ちょっとは納税者に感謝して貰わなアカンよな。」



そっと智君に目をやった。


智君も聞こえているはず。


智君、どんな思いしてるんやろ?


智君は何も悪くない。


悪くないけど、小さい時から酷い事沢山言われてきたんやろうな。


車椅子に乗っているだけで言われてきたんやろうな。


こんな事で辛い思いする必要ないのにな。


そう考え始めると、じっとしていられなくなった。


私はどちらかと言えばあまり怒らないタイプだと思っている。


何でもはっきり言って怒れるゆかちゃんが羨ましいとさえ思う時がある。


そんな私でさえ、もう我慢出来なかった。


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