大阪セカンドシンデレラ
クダクダ話しながら大阪城ホールの横を通り抜ける。
話した感じだと、環状線で言われた事、気にしてないようやね。
ホッと胸と撫で下ろすと同時に改めて尊敬のまなざしで見つめる。
やっぱり智君は私の数倍大人やわ。
大阪城ホールを抜けると。
「うわぁ。」
左手に見えた。
黄緑色の大きな屋根。
太陽の光に反射して輝く金の鯱。
大阪の象徴。
大阪城。
「ゴメン、ちょっと止まってくれる?」
「うん。」
言われた場所で車椅子を止める。
「綺麗…。」
大阪城から目を離さずに呟く。
「綺麗やなぁ。」
ゆっくりとゆっくりと右手を前に差し出す。
目一杯右手を差し出す。
「大阪城…。」