大阪セカンドシンデレラ
智君は自然と大阪城に吸い込まれるようにそのまま立ち上がろうとする。
「智君、危ないって。」
慌てて体を支えようとするが、お構いなしに腰を浮かせる。
「僕…。」
「え?どうしたん?」
「大阪城ってテレビでしか見た事無いから…。」
私は腰の辺りに手を添えて支えながら、智君の横顔を見つめた。
「実際に見たの初めてや。こんなにも、こんなにも綺麗なんて…。」
少し色白な肌を紅潮させて。
目を輝かせて。
嬉しそうな顔を浮かべて。
立ち上がって。
手を伸ばして掴もうとして…。
そんな智君の横顔がとても美しくて…。
智君が輝いていて…。
これが純粋って事なんやろうな。
いつまでもいつまでも。
智君が吸い込まれるまで…。