大阪セカンドシンデレラ
「いや、変な意味ではなくて。本当に通天閣が好きなんだな、って思って。」
慌てて否定した後、男性は目線を通天閣に向けた。
「僕も好きなんです、通天閣。小さな頃から見ているせいか、何だか見守られている気がして。」
「私もそう思います!」
自分と同じ思いを持っている事に嬉しくなり、すっと立ち上がると少し大きな声で反応してしまった。
その男性は再び嬉しそうな優しい笑顔を見せた。
「あべのハルカスがナンバーワンなら、通天閣はオンリーワンかなって。大阪の守り神かなって。」
「実際ビリケンさんも居ますしね。」
「そうだね。」
お互いに笑顔を見せると、私は少し横にずれて、ベンチに座れるように場所を開けた。
男性は笑顔のまま私の隣に座る。