大阪セカンドシンデレラ
「わ、私ですか?」
顔を上げて振り向く。
40代くらいの女性がこちらを向いている。
「何か…。」
「あの…、成宮美紀さん、でしょうか?」
「はい…。」
「いつもお世話になっております。」
その女性は私に向かって頭を下げてきた。
「私、智樹の母親です。」
「智君の!?」
思わず、立ち上がる。
「智樹がいつも美紀さんの事を嬉しそうに話していて、ほんと良くして頂いているようで…。」
「いやいや、私みたいな小娘がそんな…。」
恐縮しながら体を寄せて座れるスペースを作る。
「どうぞ。」
智君の母親に座って貰い、私も座り直す。
「通天閣の絵、とてもお上手ですね。」
「いやぁ、それほどでも…。」
智君の母親は、ニコニコと話してくれる。
「美紀さん。」
「はい。」
「実は…。」