大阪セカンドシンデレラ
ゆかちゃんのお店は半分ほど席が埋まっていたが、私がいつも座るカウンター席は空いていた。
「この席、私が行くから空けといてくれたん?」
「そやで。」
「ありがとう。」
お礼を言いカウンター席に座るが、ゆかちゃんが呼び出してきた用件が分からない。
いつものように目の前でくるくるとたこ焼きを回している。
目線をたこ焼きから外さず素っ気なく尋ねて来た。
「智君の事は知ってるか?」
「うん…。」
軽く頷く。
「まぁ、すぐに良くなるよ。」
「ゆかちゃん、何で智君の入院の事知ってるの?」
「聞いたからや。」
「誰から?」
ゆかちゃんは一旦間を置いた後、はっきりと答えた。