大阪セカンドシンデレラ
「僕の名前は、橋上新太郎って言うんだ。」
「私は、成宮美紀って言います。」
「僕は大学1年生。」
「私は高校1年生です。」
「そっか、若いね。」
「橋上さんも変わらないじゃないですか。」
「大学生と高校生じゃ大違いだよ。」
「そんな事ないですよ。」
「あはは、ありがとう。」
最後まで笑顔のまま、橋上さんは立ち上がり軽く頭を下げた。
「ごめんね、絵を描いている所、邪魔しちゃって。」
「ううん。またいつでも声掛けて下さい。」
「じゃあ。」
軽く手を振ると、橋上さんはその場から去って行った。
橋上さん…。
自分を同じように通天閣が好きと思っている人に出会い、私は嬉しくなった。
「よおっし!」
スケッチブックのページをめくり、再び描き始める。
「今日は素敵な出会いがあったから、もう1枚描いちゃお。」