大阪セカンドシンデレラ
『お姉さん、絵、上手だね。』
私が初めて出会った時も智君から声を掛けられた。
「それから、何回か会ううちに仲良くなってね。偶然かもしれないけど、美紀ちゃんに会わない日に智君に会えてた。」
「そうだったんですか…。」
知らなかった。
智君と新太郎さんが以前から知り合いだったなんて…。
『ありがとう。本当に本当に、智樹が明るく元気になれたのは美紀さんのお陰です。』
もし、本当に私と出会った事で智君が明るくなり、その明るさのお陰で智君と新太郎さんが仲良くなれたのなら…。
これほど嬉しい事は無い。
それにしても…。
私、智君、新太郎さん。
少なくても3ヶ月前からお互い知り合いで、同じ場所で出会っていたのに、3人同時に会った事がない。
それは本当に偶然なのだろうか…。
「何だか運命的な物を感じますね。」
率直な気持ちを伝えた後、私は少し寂しげな顔を浮かべた。
「新太郎さん、智君の事…。」
その問いかけに新太郎さんも同じように寂しげな顔を浮かべた。