大阪セカンドシンデレラ



「智君から直接聞いたよ。入院する事になったってね…。」



「智君が入院したのは…。」



「ん?どうしたんだい?」



私は智君と大阪城へ出掛けた事を話した。



「私が無理させたから…。」



その言葉に素早く反応して急に両肩を掴まれた。



「そんな事は無いよ。智君は美紀ちゃんが悪いなんてこれっぽっちも思ってない。」



「でも…。」



「思ってないんだよ。思ってないからここに2人で立っているんだよ!」



あべのハルカスの16階。


私は新太郎さんと2人でいる。


私の大好きな新太郎さんと2人で。



「智君は公園で自分が入院する事になった事を教えてくれると、今日のチケットを渡してくれたんだ。とても素敵な人がいるから、一緒に展望台に昇って欲しいって。」



「…。」



その言葉で確信した事が有った。



『美紀ちゃんの恋愛、上手く行くといいね。』



『もし、僕に出来る事があれば何でも言ってな。僕は美紀ちゃんの為になるなら何でもしたい。』



『そうだ、智君、あべのハルカス一緒に上ろうよ。』



『僕はエエわ。』



智君は知っていたんだ。


私が好きな人が新太郎さんって事を…。



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