大阪セカンドシンデレラ
声を掛けて貰ってからさらに1時間が経った。
午後2時を回り、店内も落ち着き始めた。
「腹減ったやろ?すまんな。後回しで。」
名物の醤油たこ焼きが差し出された。
「まぁ、食べや。」
「ありがと。」
そっと口に入れたたこ焼きは、いつもより美味しく思えた。
「実はね…。」
「おう。」
「ハルカスには行ってん。そしたらね、私の好きな人がおってん。」
「へぇ~。」
「新太郎さんって言うんだけど、私を見て凄く驚いてた。私も驚いた。で、聞いたら、智君からチケット貰ったって言ってた。」
「小学生がキューピッド役になってくれたんやな?」
「智君…。知ってたんやって、私の好きな人が誰かって。だから、その人にも同じ日時指定券を渡してお近づきにしようとしてくれてん。」
「ええ友達持って良かったな。」
「うん。智君、私と出会えた事が本当に嬉しかったみたいで…。私もホント嬉しかった。」
「でも、あんたは今ここに居る。」
「うん…。」
「振られたんか?」
「…違う。」
「違うんかいな。」
少し拍子抜けした顔をするゆかちゃん。